「歴史上、すべてのバブルで人々は’今回は違う’と言った。南海泡沫事件でも、チューリップバブルでも、ドットコムバブルでも。しかし違ったことは一度もない。人間の強欲と恐怖は、テクノロジーがどんなに進化しても変わらない」
マイケル・バーリは、神経科医を辞めて独学でヘッジファンドを設立し、2005-2007年にサブプライム住宅ローンの崩壊に賭けて莫大な利益を得た。映画「マネー・ショート」のモデルとなった投資家だ。
「ビッグ・ショート」の内幕
2005年、私はサブプライム住宅ローンの証券を分析した。一つ一つのローンを調べていくと、返済能力のない借り手に変動金利でローンが組まれていた。金利が上がれば返済不能になるのは数学的に確実だった。しかし誰もそれを心配していなかった。「住宅価格は下がらない」というのが市場のコンセンサスだった。
バーリはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)を使ってサブプライム証券の空売りポジションを構築。2007-2008年の崩壊で約8億ドルの利益を投資家にもたらした。
逆張りの孤独
バーリの賭けが成功するまでに2年以上かかった。その間、投資家は解約を要求し、ゴールドマン・サックスはマージンコールをかけ、バーリは精神的に追い詰められた。
「正しいことと、正しいタイミングは別物だ。早すぎる正しさは、間違いと区別がつかない」
バーリの教訓は「コンセンサスを疑え」に尽きる。しかし、コンセンサスに逆らうことは精神的に極めて困難だ。
個人投資家への実践法:
- 「全員が’これは絶対に安全だ’と言っている資産」を見つけたら、なぜ安全なのかを自分で検証する
- バブルの兆候:テレビのコメンテーターが全員強気、素人が投資について語り始める、「今回は違う」という論調が主流
- ただし、コンセンサスが正しいことも多い。逆張りは「根拠がある場合にのみ」実行する
バーリの新たな警告
バーリは2023年以降、パッシブ投資(インデックスファンド)のバブル、AI株のバブルについて警告を発している。「次の’ビッグ・ショート’はインデックスファンドかもしれない」